ムニューシン米財務長官は19日、新型コロナウイルスのワクチン開発を待つ間、景気下支えのため連邦準備制度理事会(FRB)の返還分を含めた未使用の経済対策資金について議会が配分を見直すべきだとの見解を示した。
ムニューシン長官は電話インタビューで、「既に割り当てられた5800億ドル(約60兆円)の資金の再配分を議会が真剣に検討することを期待する。そうすれば納税者に追加の負担は生じない」と述べた。
同長官はこの日早く、FRBにコロナ対応の緊急融資プログラムで未使用分返還を要請していた。FRBはこれに難色を示し、同プログラムは極めて重要な役割を果たしていると主張した。
米財務長官、緊急融資制度の未使用資金の返還要請でFRBと対立
長官はインタビューで、今春の新型コロナのパンデミック(世界的大流行)による部分的な経済活動停止の後、米経済は「力強い」回復を見せていると指摘。健全なバランスシートを持つ企業は民間市場を通じ資金調達できる一方、「旅行や娯楽、飲食店など新型コロナ感染拡大の影響を受ける企業は、借金を増やす必要はなく、給与保証プログラム(PPP)資金や補助金をもっと必要としている」と述べた。また、失業保険の延長でこれらの資金は利用され得ると付け加えた。
さらに長官は、FRBの未使用資金を再配分すれば当局は依然苦境にある経済分野に的を絞ることができると指摘。それには議会の対応が必要になるが、「ビジネスで新型コロナの影響を受ける人々にとって意味のあるインパクトをもたらすと思う。ワクチンが幅広く供給され経済活動が全面的に再開される来年初めまで乗り切ることができる」と語った。
原題:
Mnuchin Wants $580 Billion Injected Into Slowing U.S. Economy(抜粋)
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