高校サッカー名門校の寮で、多数の新型コロナウイルス陽性者が判明したニュースに驚かれた方がたくさんいらっしゃるかと思います。また、試合前の検査等で日本代表やJリーグの選手達や監督が感染していたことが判明して、合宿が中止されたり試合が延期されることも度々起こっています。
新型コロナウイルスと共に生きていかなければならない私達に、今、必要なことは何なのかを考えてみましょう。
なお、お住まいの地域の最新情報は必ず県サッカー連盟ホームページなどで最新情報をご確認ください。
少しでも早く新型コロナウイルスが収束し、子どもたちが安心してサッカーができるようになることを願います。
↓本文は写真の下から始まります↓
大事なのは、「誰が悪かった」ではなく「何の要因が悪かったのか」
感染拡大の経緯
新型コロナウィルスの大規模なクラスターが発生した立正大淞南高校の北村直樹校長は、11日に市役所で記者会見を開き、以下のように謝罪いたしました。果たして、感染したサッカー部員や学校が悪いのでしょうか?
否、感染が拡大してしまったのは、そこに至るまでの環境や手段の中に何らかの要因があったからではないでしょうか?
北村直樹校長「今回のことは生徒の落ち度ではなく、学校としての感染症対策の不備に起因している。本当に申し訳なく、重く受け止めている」
会見で学校側は、寮生活では食事や入浴の時間を可能な限り分散して行動するように促していたものの、人数制限など細かな取り決めを行っていなかったことを明らかにしました。
(引用:日テレNEWS24)
同校において、初めに部員に発熱などの症状が現れたのは8月5日のことでした。続く6日にも十数人の発熱症状がみとめられたものの、熱中症を疑って様子を見ることにしてしまったそうです。その間に2人部屋を1人ずつに分けたり、県外へ遠征した部員の健康観察、分散して食事をとるような指導も行っていたにもかかわらず、感染が拡大してしまいました。
帰省中の部員を除く寮生全員にPCR検査を行ったところ、検査を受けた2/3にあたる約90人が陽性、そのうち約30人がのどの痛みや味覚障害など軽い症状があり入院、無症状の約60人はそのまま寮で療養、陰性の約40人は軽症者受け入れのために確保されていた県立施設で一定期間過ごすことになりました。
サッカー部は、大阪府に宿泊遠征(7/23~25)、鳥取県(8/3~4)と香川県(8/4~7)にマイクロバスで日帰り遠征、島根県内でも練習試合を行っていましたが、県内で対戦したサッカー部員44人は全員陰性が確認されました。他県でも、参加した部員や教員を自宅待機とした上で、全員にPCR検査を実施する方針です。立正大淞南高校には厚生労働省からクラスター対策班が派遣され、調査を進めることになっています。
(参照:中国新聞デジタル)
推測される感染拡大要因は?
上記の経緯を踏まえ、5月以来しばらく松江市内に陽性者がいなかったことから、
- 遠征先での過ごし方
- 移動中の過ごし方
- 寮での過ごし方
- 発熱が熱中症によるのか、新型コロナウイルスによるのかの見分け方
- 体調に異変を感じた時の休養の仕方
のどこかに、感染が拡大してしまった理由が隠れているのではないでしょうか。
立正大湘南高校では、生徒たちに対して予防策を周知したり、手洗いやトイレを自動水洗にするなど、積極的に感染対策に取り組んでいました。
それでも起こりうるということ、立正大湘南のサッカー部員が悪いのでも学校が悪いのでもなく、どこでも誰にでも起こりうる可能性があることを忘れてはならないのではないでしょうか。
全国の多くの強豪校には寮があります。そして、遠征することも珍しくはありません。
今回のことを機に、寮生活における正しい感染拡大防止策や、遠征先や移動中に気をつけなければいけないポイントが明確にされることを強く望みます。
感染拡大を防止するために、もう一度基本に立ち返ろう
3密を避けよう
集団感染の共通点は、特に、「換気が悪く」、「人が密に集まって過ごすような空間」、「不特定多数の人が接触するおそれが高い場所」です。換気が悪く、人が密に集まって過ごすような空間に集団で集まることを避けましょう。
安全な距離を保とう
濃厚接触になる場合の定義は、「対面で互いに手を伸ばしたら届く距離(1m程度以内)」で「15分以上の接触」があることとなっています。他人と対面するときは、安全な距離(できれば2m程度)を保つように心がけましょう。
こまめに手を洗おう
外出先から帰った時、食事の前など、こまめに手を洗うようにしましょう。石鹸で洗うのが一番ですが、ない時は水だけでもかまいません。アルコール消毒も良いのですが、多用すると皮膚が荒れる方もいらっしゃるので、やはり手洗いが効果的です。洗っていない手で目や鼻、口などを触らないように気をつけることも大事です。
代替大会中止を避けろ!柴崎選手・長友選手・久保選手・南野選手・森保監督の手洗いテクニック動画と長谷部選手からのメッセージ動画を確認しよう
マスクをしよう
うつされないためではなく、うつさないために、人と近距離で会話する時にはマスクを着用しましょう。マスクをしていない時などに咳やくしゃみをする際は、ティッシュ等で口と鼻を覆うなど咳エチケットに気をつけましょう。
最近は、様々な色やデザインのマスクが販売されるようになりました。ぜひ、自分好みのマスクを見つけてみてください。
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マスクしていてもかっこいい選手たち❣️✨
\あなたはどの選手のマスク姿が好きですか⁉️
ぜひスクショしてリプで教えてください👀✨#Jリーグ pic.twitter.com/5DENEctOHl
— Jリーグ (@J_League) August 6, 2020
ただし、高温や多湿の環境においてマスクを着用していると、心拍数や呼吸数、血中二酸化炭素濃度、体感温度の上昇など、身体に負担がかかることがありますので、屋外で人と十分な距離がある場合や運動の際は、マスクをはずしましょう。
接触確認アプリをインストールしておこう
6月にリリースされた「新型コロナウイルス接触確認アプリ(略称「COCOA(ココア)」)」は、新型コロナ対策に有効な手段のひとつです。利用者が増えれば増えるほど効果が高くなる仕組みになっているそうなので、なるべくインストールしておきましょう。
➤ Google Play
➤ App Store
このアプリを使うと、陽性者と接触した可能性をいち早く察知することが可能になりますので、検査の受診など保健所のサポートを早く受けることができます。濃厚接触者の可能性が高くない人に対しても、体調変化への注意が促される仕様になっています。
調子が悪い時は休もう
毎日の自分の体調に敏感になりましょう。決まった時間(朝起きてすぐなど)に体温測定することで自分の平熱を正しく知っておけば、発熱した時にすぐに気づくことができます。発熱していなくても不調を感じた時は、無理をしないで休むことが大切です。
(参照・引用:厚生労働省)
正しい知識を持ち、正しく恐れよう
国内の発生状況 2020年8月10日現在
8月10日現在、厚生労働省から発表されている国内での新型コロナウイルス感染症の陽性者は、2020年1月からの累計で47,990人となりました。そのうち現在入院治療等を要する方が14,063人、亡くなられた方が1,047人いらっしゃる一方、すでに退院又は療養解除となった方は33,058人にのぼります。
(表引用:厚生労働省「国内の発生状況」、データ:厚生労働省「オープンデータ」)
毎日、テレビや新聞等のニュースで「○○県 新たに○○人 新型コロナ感染確認!過去最高!」などと報じられていますが、実際には毎日報告されている陽性者よりも、退院される方が多いことが上記の表やグラフよりわかります。
私たちはどう対応すべきなのか?
新型コロナ:第2波は「収束できる」、検査拡大し自分アラートを -宮坂昌之・阪大名誉教授
-緊急事態宣言は必要ですか。
「やらなくていい。緊急事態宣言をすれば、それなりの行動制限が掛かるので意味はあるが、今やったら経済が大変なことになる。今は宣言を出す時期ではない。出さなくても個人が自分にきちんとアラートを掛けられたら、感染はそんな簡単には広がらない」-こういう時期に政府が「Go Toキャンペーン」を始めました。東京は除外されたが、大丈夫でしょうか。
「人の動きを増やせば、また感染は始まるのは初めから予想されたこと。キャンペーンで人を動かせば、感染が広がっていく可能性もあるが、そうでない可能性もある。旅行者がきちんと守るべき行動変容を実行してくれれば、そう簡単にこのウイルスは広がらない。きちんと個人がアラートを掛けることができるなら、特殊な業種を除いて休業要請も出したり、学校閉鎖したりする必要はない」(中略)
-ワクチンも特効薬もない中で、免疫を何らかの形で鍛えられませんか。
「50~60歳の人は子どものとき以来、30年以上ワクチンを受けていない。逆に学童はワクチンを10本近く受けていて、重症化率はとても低い。そのたびに自然免疫と獲得免疫が刺激されて、毎年繰り返している。そこから、なぜ子供や若い人がなりにくいか説明できる可能性はある。お年寄りはワクチン打ってから、30~40年も免疫学的なチャレンジを受けていないので、訓練免疫が効かなくなっている。お年寄りに肺炎球菌ワクチンもインフルエンザワクチンも面倒くさがらずに受けてもらえれば、思わぬ恵みがあるかもしれない」(参照:nippon.com)
国立国際医療研究センターが8月6日に公表したレジストリ研究の中間解析によって、全患者において20歳未満の割合は非常に少ないことと、20~30代くらいまでの若い世代ではほぼ軽症で、高齢になるほど中等症、重症になる頻度が高くなっていることが分かっています。
私たち一人一人が、正しい知識を持って正しく恐れながら日常生活を送っていれば、徐々に感染拡大のスピードが遅くなり収束に向かうことができるのではないでしょうか。
(参照:国立国際医療研究センター)
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最後に
記者会見のなかで、温かい励ましの言葉をいただく一方で、厳しいご意見もあると北村校長が仰っていましたが、SNS上では「#がんばれ淞南」、「#負けるな淞南」、「#がんばれ立正大淞南 」、「#負けるな立正大淞南」といったハッシュタグをつけて応援しているサッカーファンのつぶやきが散見されます。
まずは、感染してしまった関係者の皆さんが、一刻も早く回復されることを願います。そして、誰かを責めるのではなく、悪い要因に対して個々がアラートを鳴らして気を付ける流れになってほしいと切に思います。
Phillip KoflerによるPixabayからの画像
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August 12, 2020 at 09:00AM
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