電子情報技術産業協会(JEITA)は31日、日本メーカーによる世界での5月の電子部品出荷額が前年同月比22%減の2365億円だったと発表した。3カ月連続で前年同月を割り込んだ。新型コロナウイルスの感染拡大で、世界中の完成車メーカーが工場の稼働率を落としていたことなどから部品需要が低迷した。完成品メーカーの在庫を積み増す動きが一服したことも影響したとみられる。
5月は世界的に出荷額が大きく落ち込んだ。地域別で前年同月を上回ったのは中国向けのみで、欧州と米州向けの出荷はともに51%減と前年同月を大幅に下回った。日本向けや日本と中国を除いたアジア向けの出荷額もそれぞれ1割以上減少した。唯一、前年同月比で増えた中国向けも増加率は1%にとどまっており、世界的に部品需要の減速感は否めない。
製品別では全ての製品が前年同月の出荷額を下回った。スイッチは前年同月から50%減り、カメラなどのピントを自動で調整するアクチュエーターも同37%減となった。現行の4Gよりも高い周波数帯で通信する次世代通信規格「5G」向けで需要の高まりが期待される高周波部品も前年同月を15%下回った。
2020年度に入り、電子部品の出荷額は急減速している。1~3月は部品の供給不安から完成品メーカーに「在庫を積み増す動きがあった」(国内部品大手幹部)。足元では中国での生産体制の正常化や自動車市場の悪化から部品を買い増す動きが一服。電子部品の出荷は大きく落ち込んだ。
欧米を中心に各国政府が新型コロナの感染を抑えるために実施した都市封鎖も部品需要の低迷に追い打ちをかける。英調査会社オムディアの南川明シニアディレクターは「都市封鎖が電子部品の出荷額を押し下げた」と指摘する。自動車向けを中心に部品需要が落ち込んだことに加えて、都市封鎖の影響で物流が滞ったことも出荷額の減少に拍車をかけた。
「安定供給のために実施した代替生産などの費用が収益を圧迫した」。こう話すのはコネクター大手、日本航空電子工業の小野原勉社長だ。同社は政府による活動制限の影響を受けてメキシコとフィリピンの工場で稼働率が低下した。物流や代替生産などのコストに加え、4~6月期は両工場合わせて10億円規模の販売減の影響も受けた。足元の生産は「回復傾向にある」(小野原社長)として7~9月期以降の巻き返しを図る。
一方、今後の需要を見据え、明るい兆しも出てきた。南川氏は「これまでは新型コロナによる部品の供給不安から需要の前倒しがあり、7月以降受注が落ち込むとの見方が強かった」と指摘。引き続き先行きに不透明感は漂うものの「足元では秋以降に発売される5G対応スマホ向け部品の引き合いが強まっており、今年度の部品需要をけん引する可能性がある」という。
電子部品大手、TDKの山西哲司最高財務責任者(CFO)は30日の決算会見で「市場ごとの需要動向には期初想定から濃淡が出てきている」との見方を示した。自動車市場の低迷などで部品需要の変動に激しさが増すなか、部品各社は5Gの本格普及を見据えて立ち上がってきた新たな需要を取り込めるかが、今後の成長を左右しそうだ。(菅野気宇)
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July 31, 2020 at 02:51PM
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電子部品出荷額、5月は22%減 在庫積み増し一服 - 日本経済新聞
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