米軍横田基地(東京都福生市など)で、配備されている垂直離着陸輸送機オスプレイの部品がなくなっていたことが分かった。原因は分からないが、飛行中に落下した可能性もあるという。同基地のオスプレイのこうしたトラブルは初めてだが、地元自治体は情報が十分つかめていない。沖縄では重大事故も起きており、住宅が密集する東京で危ぶむ声が高まっている。 (石井紀代美)
防衛省北関東防衛局などによると、この部品は「サーチライトドーム」と呼ばれ、三辺が約一五・八センチ、約一五・八センチ、約一〇センチ、重さは約四百五十三グラム。十六日午後五時ごろに飛行後点検した際、なくなっているのが分かった。
いつどこでなくしたのかが重要だが、同局の上原忠昭報道官は「これ以上は情報がなく分からない」と説明する。
北関東防衛局は米軍側からの情報を受け、十七日に同基地周辺の六市町に連絡。ただ、立川市企画政策課の柳下直也氏は「どんな部品か問い合わせても『不明』とのこと。形状や材質、機体のどこに付いている部品かも分からない」と困惑する。
防衛省の担当者にヒアリングした武蔵村山市の内野直樹市議も「普段ねじで固定されている部品なのかさえ『分からない』と言われた」と不信感を募らせる。「こちら特報部」は同基地や在日米軍司令部に問い合わせたが、十九日夕までに回答がなかった。
同基地のオスプレイ五機は二〇一八年十月に正式配備された。「横田基地の撤去を求める西多摩の会」の高橋美枝子代表は「低空で機体を斜めにして旋回したり、タッチ・アンド・ゴーを繰り返したり、散々激しい飛び方をしてきた中で、『とうとう起きた』という感じ。もし落下物にぶつかれば、命を落としかねない。いつ空から降ってくるのか分からず、とてもこわい」と語る。
実際、沖縄では米軍機の部品落下が相次いでいる。一七年、普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)近くの小学校グラウンドにヘリコプターから金属製の窓枠が落下。当時は児童約五十人が体育の授業中だった。一八年には伊計島の海岸に、オスプレイが落とした重さ十三キロもある部品が漂着した。
米軍厚木基地(神奈川県大和市など)周辺でも後を絶たず、一二年に大和市の県道に電子戦機の金属部品が落下。一四年には綾瀬市で金属片が駐車中の乗用車に落ち、窓ガラスを損壊している。「第五次厚木基地爆音訴訟原告団」の斎藤昌民事務局長(68)は「小さな金属片でも、落下中に加速度が増して衝撃はものすごい。人の頭に落ちてくれば刺さるでしょう」と話す。
軍事ジャーナリストの前田哲男氏は「米軍機の部品落下は、整備員の不足や能力低下、機体の老朽化など、さまざまな要因が考えられるが、米軍が原因や再発防止措置を説明しないため、推測しかできない」と情報公開に後ろ向きな姿勢を批判。その上で「オスプレイの墜落や部品落下が続くなら、本質的な構造に問題がある欠陥機と言わざるを得ない」と強調する。
首都圏では陸上自衛隊木更津駐屯地(千葉県木更津市)にも、自衛隊のオスプレイ十七機が近く暫定配備される予定だ。前田氏は「東京上空を危険なオスプレイが飛び、部品落下や墜落のリスクがあることを市民が知っていなければならない。オスプレイは沖縄だけの問題ではなくなったことを、今回の出来事が教えてくれる」と指摘する。
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