新型コロナウイルスの感染拡大の影響が航空機部品市場にも波及してきた。川崎重工業は17日、愛知県の工場の生産ラインの一部を5月6日まで停止すると発表。SUBARU（スバル）も愛知県の2工場を停止すると公表した。取引先である米ボーイングの生産停止に対応する。機体の顧客である航空会社の経営も悪化し、今後の需要は一段と厳しくなりそうだ。
川重は4月20日から、名古屋第一工場（愛知県弥富市）のボーイングの中型機「787」向けの生産ラインを止める。再開は大型連休後の5月7日を予定する。同工場は航空機の胴体部品などを手掛ける。
スバルは愛知県半田市内の半田工場など2工場を20日～5月1日まで一時停止する。主にボーイング向けの「中央翼」と呼ばれる部品を生産している。操業再開は大型連休後の5月11日の予定。
両社の大口顧客であるボーイングは従業員に新型コロナの感染者が出た影響などで、3月に商用機の工場を停止した。同社は今月16日、米ワシントン州の2工場の生産を20日から再開すると発表したが、停止していた期間の生産調整のため、部品メーカーに出荷停止を要請しているもようだ。
ボーイング向けに主翼部品や胴体などを納入する三菱重工業も、工場の一時停止や操業度の変更などの生産調整について「ボーイングと協議中」（同社）としている。
日本航空宇宙工業会によると、19年の国内の航空機産業の生産高は前年比2%増の1兆8570億円。ボーイング向けの比率が高く、特に787については日本の部品メーカーの供給比率が3割超を占める。ボーイングの減産は大きな痛手だ。
米国では16日、トランプ大統領が感染者が少ない地域から経済活動を再開する方針を発表した。ボーイングも操業を再開するが、19年3月までの2度の墜落事故に加え、新型コロナの影響で航空機の受注は今後、大幅に落ち込む見通しだ。
東レは3月、米ワシントン州にある炭素繊維の加工工場の操業を一時停止した。今月13日から再開したがボーイング向けの生産は停止を続けている。日本の他社も生産を再開しても、稼働率の低下などが懸念される。
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April 17, 2020 at 05:30PM
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航空部品、川重やスバルなど生産停止 ボーイング減産で - 日本経済新聞
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