米アップルが１７日、肺炎を引き起こす新型コロナウイルスの感染拡大で、売上高見通しを事実上、下方修正した。同社の失速は、日本の製造業にも飛び火する可能性が高い。特にＴＤＫや村田製作所といった電子部品各社は、アップルのスマートフォン「ｉＰｈｏｎｅ（アイフォーン）」向けに重要部品を納めており、新型肺炎の影響の長期化は大打撃となりかねない。
日本の電子部品各社は、過去にアイフォーン販売の低迷であおりを食った経験があり、他のスマホメーカーとも取引を拡大している。スマホ市場自体が頭打ち傾向を強めていることもあり、部品各社は特定の分野や顧客に依存しない経営も志向してきたため、楽天証券経済研究所の今中能夫（やすお）チーフアナリストは、「以前のアップルショックほど大きな打撃を受けないのではないか」と予測する。アップルは第５世代（５Ｇ）移動通信システムへの対応が遅れており、以前ほど性能は突出していないとの見方もある。
それでもアイフォーンが高機能である点に変わりはなく、各社にとってアップルは依然として高い値段で部品を買ってくれる「上得意」だ。中でも経営再建中の中小型液晶パネルメーカー、ジャパンディスプレイ（ＪＤＩ）は売上高の過半をアップル向けが占めており、アップル失速の影響をもろに受けかねない。
さらに懸念されるのは、新型肺炎による生産販売への影響がアップル以外のスマホメーカーにも波及することで、村田製作所の担当者は「日々状況が変わっており、情報収集を進めている」と動向を注視する。
１８日の東京株式市場では、アップルの業績見通し修正を受け、電子部品など関連銘柄への売りが膨らんだが、スマホ業界全体が失速することになれば日本メーカーの業績への打撃は避けられない。（井田通人）
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February 19, 2020 at 03:00AM
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肺炎影響、アップル失速懸念 日本の部品各社に飛び火も - SankeiBiz
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