10月5週(10月28ー11月1日)は上昇が予想される。国内で企業決算が本格化すると、業績の底入れ期待が強まりそう。利下げが予想される米金融政策や米中の重要景気指標が注目される。
企業決算は、米国で28日にアルファベット、30日にアップルがあるほか、国内でも28日にファナック、29日に野村ホールディングス、30日はソニーやアドバンテスト、31日にキーエンスや村田製作所などがある。東証によると、前半のピークとなる31日には335社が第2四半期決算を発表する。市場には、業績に厳しい見方が強かったものの、先行した日本電産やディスコなどが決算以降に株価堅調となったことで過度な警戒はやや和らぎつつある。
一方、ブルームバーグ調査によると、29日、30日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では利下げ予想が全体の85%に達し、その次に利下げがあるにしてもしばらく休止する可能性を金融当局が示唆するとの回答が56%に上った。先行きの利下げ期待が後退すれば、一時的にボラティリティー(変動性)は高まる可能性がある。このほか、米国では1日には10月の米供給管理協会(ISM)製造業景況指数や雇用統計が予定される。国内では30、31日に日本銀行の金融政策決定会合が開かれる。4週のTOPIXは1.6%高の1648.44と3週連続で上昇した。
≪市場関係者の見方≫
ニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジスト
「強含みが予想される。景気や企業業績の底入れ期待で上昇してきたが、それが本物かを試す週になろう。決算数字はあまり良くないがある程度織り込み済み。米中通商問題が両国とも柔軟姿勢となっているだけに、現在が業績の最悪期という経営者発言が出てくるかに注目度が高い。足元で高まっている底入れ期待が続けば、日経平均は2万3000円を回復する場面もあり得る。ただ、FOMCでいったん利下げ停止の見方が強まれば、PERで割高な米国株に利益確定売りが出る懸念がある。そうなれば日本株も悪影響を受けそう」
第一生命経済研究所の藤代宏一主任エコノミスト
「2万3000円を目指して上昇する見通し。FOMCや日銀政策決定会合は波乱要因とはならないだろう。利下げがあれば日本株にポジティブだが、なくても株価が崩れるわけではない。本格化する日米企業決算では、製造業や電子部品デバイスなどに底打ち感があり、見通しが明るい。一方、半導体売り上げと連動性が強かったフィラデルフィア半導体指数の強さが際立っていて、市場は需要回復を前のめりに織り込んできている印象がある。来週の企業決算で少しでも期待外れな材料が出ると日本株にネガティブに作用する可能性があり警戒が必要」
2019-10-25 06:27:00Z
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-10-25/PZVA1RDWLU6B01
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